SPEEDO(スピード)オリンピック歴代競泳水着競泳水着の「SPEEDO(スピード)」は認知度も高いメーカーだと思います。この「SPEEDO」水着の歴史について、東京五輪からオリンピックの年ごとに区分しました。興味深い内容となっています。
(1)1964年 東京五輪 ナイロン100%の水着。ウエスト部分の切り替えなどカッティングでも格段の進歩をし始めた時代。しかし、もっとも水の抵抗を受けやすい胸部分に大きな日の丸マークが縫い付けられるなど、低抵抗の面では不十分なものでした。 (2)1968年 メキシコ五輪 女性ならではの身体の凹凸に無理なく沿ったカッティングで、さらにフィット感がアップ。スカート丈も短くなり、腿にまとわりつく感覚も解消しました。 (3)1972年 ミュンヘン五輪 バックセンター切り替えで伸縮性を強化。水の浸入を防ぐデザインで動きやすさも向上。各チームの差別化をはかるためのプリント柄の流行も特徴的となりました。 【動きやすさ、泳ぎやすさを追求!レーサーバックスタイルが登場】 (4)1976年 モントリオール五輪 素材にポリウレタンを加え、縦横2方向への伸縮性が備わりました。肩への負担を減らし、腕の動きをスムーズにした革命的なレーサーバックスタイルが登場しました。 -1980年 モスクワ五輪- アフガン問題により不参加。 (5)1984年 ロサンゼルス五輪 動きやすさを追求したハイレグ。また、縫い目を減らし、水がたまりやすい背中の部分を大きく開けることで水の抵抗を減らし、運動性を向上させました。 【体を覆う面積を限りなく小さくすることで低抵抗を実現する時代へ突入】 (6)1988年 ソウル五輪 水の抵抗への対策が本格化し始めた時代。新素材「アクアピオン」の開発で、摩擦抵抗値を10%減少させています。身体にフィットしたカッティングやフラットな縫製も随所に採用しています。 (7)1992年 バルセロナ五輪 ハイレグ型のレッグ位置が本格的に高くなった時代。素材は、高密度に編んだ極細ポリエステルに特殊加工を施し、表面平滑性をアップさせた低抵抗素材「アクアスペック」が誕生。表面摩擦抵抗値を15%減少させました。 (8)1996年 アトランタ五輪 「アクアスペック」にストライプ状の撥水加工を施すことで縦渦を発生させ表面摩擦抵抗を軽減する「アクアブレード」を開発。金メダリストの約3/4が着用したと言われています。 【デコボコの表面で全身を覆うサメ肌時代へ突入】 (9)2000年 シドニー五輪 サメの皮膚表面の形状をヒントに、細かな溝と表面積の75%にうろこ状の撥水プリント加工を施した「ファーストスキン」が誕生。全身を覆う斬新なフルスーツも登場し、大きな話題となりました。NASAや著名なバイオメカニクスの専門家、サメの研究者も加わり、この五輪を境に、水着の研究は高度な研究へと進み、歴史は大きく動いていくことになります。 (10)2004年 アテネ五輪 さらに進化を見せた「ファーストスキンFS2」。正確なボディースキャンをはじめコンピュータ技術を導入・駆使したことで、従来からの人による流水実験以上の実験を展開し、流水とボディーとの抵抗関係を解明。水の流れに沿ったカッティングと2種類の異素材配置が新たな進化の象徴となりました。 【人が水着に合わせる時代へ突入】 (11)2008年 北京五輪 茹でる前のスパゲティーのように芯があると水への抵抗が少ないという発想から、開発化された水着。着やすい今までの水着から全身が動けるギリギリまで締め付けた着にくい水着が登場しました。 アメリカ航空宇宙局(NASA)や、ニュージーランドのオタゴ大学、ANSYS社、オーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)、自社研究所であるアクアラボや、その他多くの専門家の協力を得て開発。生地を特殊な超音波「LZR Pulse」を使って接着し、縫い目が無いのが特徴で抵抗が軽減され、撥水性にも優れています。北京オリンピックでは、先進国を中心にほとんどのトップクラスの選手が男女を問わずこの水着を着用し、世界記録・オリンピック記録がありえないほどの数が相次いで更新され話題となりました。 しかし、ルール違反との声も上がり、2009年度は競技用水着のルールを厳格化し、一つのラインをつけるようになりました。今後は、このルールに則り、開発が進んでいくことになります。今まで最先端を進んできた「SPEEDO」の競泳水着は、ロンドン五輪でどのような水着を開発してくるか、非常に期待されています。 ジャンル別一覧
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